ここ数年、大型台風による屋根の飛散被害が相次いでいます。
日本瓦の場合、棟部に構造的な弱点があったのです。
飛散事故の7割が古い瓦屋根でした。
築30年から40年の古い木造住宅の場合、棟部の冠瓦やのし瓦を銅線で巻いて固定する「大回し工法」でした。
風力に対しては、葺き土の重量や粘着力、銅線の拘束力などで対抗できますが、大地震などに遭遇すると、一気に地瓦も飛ばされてしまうのです。
棟部の補強方法は下記の手順で行います。
- 既存棟部の瓦、葺き土、漆喰を撤去する。
- 棟補強用金物を野地板に留め付ける
- 最上部の瓦に穴を開け、野地板に留め付ける。
- 棟芯材を補強用金物に取り付ける。
- 最上部の瓦と棟芯材の隙間を南蛮漆喰で塞ぐ。
- 冠瓦をビスで留め付ける。
この工法で、棟補強金物を介して野地板と一体化させて強風を受けても飛散しにくい構造になるのです。
もし、古い瓦屋根の住宅にお住まいの場合は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。