鈴木 純 自己紹介へ

クリプトンガスってどんなガス?

断熱に優れた窓には「クリプトンガス」が使われているものがあります。
複層ガラスのガラスとガラスの間に封入されています。
この「クリプトンガス」とはどういったものなのでしょうか。

私はクリプトンと聞くと真っ先にスーパーマンを思い浮かべてしまいます。
スーパーマンの故郷の惑星の名前がクリプトン。
元素のクリプトン(元素記号 Kr)と関係があるのかどうかはわかりませんが同じ名前です。

クリプトンガスはレアガス(希ガス)と呼ばれるものの一つで、大気中には100万分の1でしか存在しないガスです。
ギリシャ語の「隠れる」という意味の「クリプトン(κρυπτόν)」が名前の由来だそうです。
それぐらい発見できないものだったのでしょう。

特徴

・不燃性
私達の身近なカスといえば、ガスコンロなどで使われる都市ガス(液化天然ガス)やプロパンガス(液化石油ガス)ですよね。クリプトンガスはこれらのガスのように可燃性のガスではなく不燃性のガスなので燃えません。

・高密度
ガス密度は3.75kg/m3と高密度で重く、吸い込むと声が低くなります。逆に密度が低く軽いヘリウムガスは吸い込むと声が高くなるパーティーグッズや風船を浮かせたりするので有名ですよね。
※注意:酸欠になる恐れがありますので吸い込まないでください。クリプトンガス単体で吸引するのは危険です。

・熱伝導率が低い
空気よりも熱伝導率がはるかに低く熱を伝えにくいので断熱性に優れています。
この性質を利用して白熱電球に封入されるガスとしても使われています。


白熱球の明るさはフィラメントの温度が高いほど明るくなります。
その熱を電球外にできる限り逃さないためにクリプトンガスが封入されていますが、断熱窓に使われているのも同じ理由ですね。室内の熱を窓ガラスから外部にできる限り放熱しないようにクリプトンガスが働いています。
無色・無臭で燃えたりすることもなく安定しているので、窓のような身近なところでも使われているんですね。

北海道や東北など寒い地域で採用する窓ならそれなりに高価にはなりますが、このクリプトンガス入りのトリプルガラス窓をおすすめします。
それ以外の地域では必須なものではないと思いますが、予算に余裕があるなら検討してみてもいいと思います。

4ページ (全5ページ中)